児童期のASD
- ファミリアくわな鍼灸院
- 3月15日
- 読了時間: 4分
前回は乳幼児期のASDについてでした。
今回は児童期(小学校〜)のお話です。
乳幼児期では大人しい子・物静かな子と見逃されてきた子も
児童期に入ると
周囲はあいつやっぱり変じゃね?
自身も・・・えっ俺変なの?
と認識できるようになり
最悪のケース、イジメや半グレに発展する恐れがあります。
発達障害は恥ずかしい事でもヤバいことでもありません。
(私の父は孫が恥ずかしいようですが)
あれ?と思った時点での相談、支援をお願いします。
児童期の特徴
児童期の注意点
兎にも角にも早期発見・早期支援
1.児童期の特徴
ASDの子が児童期に入ると
a.生活面の問題(物忘れ・気が散りやすい)
知的障害を伴わない高機能ASDの子のうち、50%〜70%がADHDを併存していると言われています。
なので、この時点でASDであることがわかっていない場合、『大人しいけど落ち着きがなく、忘れ物が多く、勉強が苦手』という要注意人物になってしまいます。
b.読み書き、計算など学習面の問題
気が散りやすい為、そもそも勉強に取り組めないから、わからない所が出てきた時に『言語化ができない』為、「わからない」が言えずに置いてけぼりになる恐れがあります。
また、そもそも計算が苦手など色々出てきます。

c.対人関係の展開の困難
空気が読めず、忘れ物しまくる、勉強が苦手な子に子供は容赦しませんし、注意されてもそれが理解できずポカーンとしていると学校から見ても問題児になってきます。
また、休み時間はなかなか地獄の時間になるかもしれません。
自由時間と言われても
何をする時間かわからない子や
次の授業が移動教室だったりすると
上手く行動できない子がいたりします。
が、周りを見ながら上手く合わせる事で乗り切ろうとします。
しかし、本質的な問題は何も解決していませんからね。
『積極的ではないもののなんとなく輪の中にはいて何となくニコニコしている』そんな子、いませんでしたか?
ここまで見逃されてきた事で
かなりややこしくなっており
なんで忘れ物を繰り返す?
なんで空気が読めない?
なんで集中できない?
と、掘り下げていった結果
この子が怠惰なのではなく
ASDの特性なのだと判明する事になります。
2.児童期の注意点
ようやくこの子が変なのはASDだったからだ。
ということが判明して、
先生が「〇〇くんはASDという障がいがありますから理解してあげましょう」
なんて言っても、
言葉の重みなどわからない
子供達が言葉のナイフを突き刺します。

ASDの子供は言葉の意味ではなく
『言葉の感情』を拾いますから
やーいやーいと揶揄われ
アスペはこっち来んなよ!と突き飛ばされ
孤立化していきます!
家に帰ってもASDと知らない親から
『あんたこんな事もわからないの?』
『何回言ったら分かるの?』と言われてしまうと。
学校でも家でも理解者がおらず居場所がなくなり孤立化していく。
でも自己理解、他者理解ができないので、モヤモヤだけが溜まっていきます。
限界を迎えたある日、今まで大人しかった奴が急にキレる、さらにヤバイ奴認定されてしまう。

また、養育者との愛着形成が上手くできていないと、わかってくれない奴は全員「敵」だ。
となったりもしますので、発達障害と養育環境は切り離せないものでもあります。
この話はまた次回の青年期で。
3.兎にも角にも早期発見・早期支援
これまでお話した内容は容易に想像できたと思います。
実際私の児童期を思い返すと、「あの子そうだったのかも…」という子が何人かいますし、皆さんにも思い当たる子がいるのではないでしょうか?
ここまで見逃していると親も発達障害の可能性が高い。もしくは毒親。(毒親についても今後触れていきます)
ここから環境を変えずに状況を立て直すのはかなり難しいですが、、、放置する事でさらに危険度が増していきます。
経済的な理由で動けない人が増える事も予想されますからね。
あれっ?と思った時点で必ず相談、支援を受けてください。
児童期のお話は如何でしたか?
早期発見・早期支援の重要性がよく分かるのではないかと思います。
今後は、『少年期・青年期について』と『どう育てるか』についてお話していきます。
今後の予定
少年期・青年期のASD
どう育てる?
境界知能
毒親(愛着障害)
ほなまた〜!
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